認知症のおばあちゃん、大好きだけど辛い

介護のお仕事をされている方またはご自宅で介護をされている方、
なかなか認知症にともなう周辺症状との関わり方の正解がわからず、
神経をすり減らしておられる方も少なくないと思われます。

アリセプトなどの薬を定期的に服用することにより
病気の進行を遅らせることはできるにしろ
完全に治ることはありません。

そこは普通の病気や怪我とは違う部分であります。

しかし残念ながら認知症は薬を服用したからといって
必ずしも快方に向かう保障がないのも事実です。

日夜徘徊独語ろう便夜間せん妄などの周辺症状と向き合いながら
患者さんも介護する人間も戦っています。

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またアルツハイマーや脳血管性の認知症レビー小体型認知症など
認知症の種類も多岐に渡り、症状の出方も人それぞれ異なりますから、
どんな人もこうすれば絶対大丈夫。ということは言えません。

ただ、共通認識として必ず持たなければならない基本としては
患者さんの尊厳を決して傷つけてはなりません。ということです。

その人は例え認知症の進行により元々の人格が変わってしまっていても、
それまでの人生の中で培ってきた核となる部分はブレずに備わっているのです。

どうせ言ってもわからないだろうと無視をしたりつい、イラついて汚い言葉を投げつけたり。

病気が進行していて物事の理解に乏しいのをいいことに介護する側が勝手気ままな態度で接していたら、患者さんはその自分をないがしろにする態度を雰囲気で察知し傷つき、その思いを言葉で説明できない分だけより孤独を背負ってしまいます。

その不安感が周辺症状をより悪化させてしまうことも多いにあるのです。

尊厳を保つ介護のための介護者の心がけたしかに同じことを何回も繰り返して尋ねられたら介護する側も僻遠してしまいます。

そうなっていら立ちを隠しきれないなと感じた時には、どうしたら良いかあっさり、その患者さんの対応を他の人に代わってもらいましょう。

見捨ててしまうかのような罪悪感にかられたりもするでしょうが決してその様なことはありません。

育児と同じ、介護はチームプレイであって1人が背負いこんで良いものではありません。

対応の方針をある程度統一することは必要ですが10人10色介護する側も数いればいるほど接するうえでのアプローチのバリエーションは増えます。

こんな接し方があったんだ!という発見もあります。

その患者さんの気持ちの琴線にヒットし、笑顔を向けてもらえる可能性が広がることを考えれば、自分だけの考え方に固執してケアの幅を狭める必要はないのです。

ストレスを1人で溜め込むリスクも減らせ結果的にお互い楽になれるはずです。

認知症介護において、え?こんなことでいいの?と思うくらい簡単なケアの方法は視線を合わせることです。

食事を介助する排泄を介助する周辺症状に対応する様々なシチュエーションにおいて絶対守るべきポイントです。

単純なことですが患者さんの視界にはいるマスクを外す視線を合わせるこれだけで患者さんのもつ不安を和らげることができると実証されています。

患者さんと見つめ合うというケアの時間を設けている病院や施設もあるほど。

更に笑顔を向ければ、潜在的に患者さんは自分を受け入れてもらえているという安心感が得られ患者さんの漠然とした不安感から悪化をたどる周辺症状を快方に向かわせることもできるのです。

言葉が理解し合えない分は非言語コミュニケーションが補ってくれます。

スキンシップや目をみつめることもちろん言葉で安心を与えることも大切。

介護に疲れたら代わってもらう勇気も。全て患者さんの立場にたって、
思いやりを持ちつづけた介護を行う意識こそが認知症と正しく向き合う方法なのだと私は考えます。

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